最近のマイテーマになっていたモチベーションについて、金川氏の働くみんなのモチベーション論を読み終わりほぼなんとなく道筋がついた。簡単に言えばモチベーションは人によって違うってことである。いろいろな人がいることを知り、うまく引き出す方法を学んでいく。自分もどういうタイプかを知り調節することを学ぶ。そういうモノだと論じていた。
こういう結論を導く背景として、マクレガーやマズローといった経営学におけるモチベーションの先駆者を中心に、心理学も含めて基礎として積み上げられていたものを順番に説明している。また、大学での講義や企業研修でのように、読者に作業をさせ考えさせる。実際に私自身も職場の人たちに調査をし、気づくことが多かった。人間のマネジメントということに気がつくことも出来た。
推薦されていた教育心理学者の市川伸一の「学ぶ意欲の心理学」も読んだ。確かに分かりやすい。経営学や心理学、社会学といった学問のジャンルによってアプローチの仕方が違うのも分かった。ただ、実際は臨床の場、現場における対応や学びというものが一番大切なのであろ う。学んでいないジャンルはキャリア論とかいうジャンルになってくる。先の調査を自分なりに拡張したものをそのジャンルの専門家に聞いてみて、学びを続けたい。あと、福祉のジャンルでのモチベーション論というものはあるのだろうか。
全て学びきったとは言い切れないが、考え付くところは哲学的な要素であったり、自分の身内や関係者(気にかける対象)がどの範囲になるかというところに行き着く。
人間が人間たるべしなのは、他の人との関係性にあるというところは理解できる。自分が守りたいのは何なのか。自分だけ、身内、自分の中のいい人、組織の人、世話になった人、同じ町の人、国の人、世界の人なのか。自分と同じタイプの人間なのか。というところだろう。
信長にあこがれていたのは、人生50年と嘯いていた頃。ただ、自分の能力が足りなかったし、今も足りていない。何をあこがれていたのか、世の中を新しい時代にシフトさせたことにだったはず。
経済人、社会人、自己達成人の次は複雑人という認識と金川氏は述べている。複雑系であったり、カオス理論であったり、とベースは同じところにあるのだろう。
変わるべき社会の構造はどんなものなのか、多様化の時代はこれまでの社会人構造で支えきれないのかもしれない。自己決定できない人も同じ基準で支えようとする仕組みが問題なのかもしれない。
やる気についても同様で、何もやることがなく、遊んで暮らすというのは本当に幸せなのか。そういうタイプの人にはそういうアプローチしかないのであろう。
問題解決の心理学―人間の時代への発想 中公新書757
無気力の心理学―やりがいの条件 中公新書 599