被告は桃太郎。
人定質問や黙秘権の説明の後、
検察官が「被告は鬼を懲らしめようと鬼ケ島に向かい、刀で鬼を切りつけ、大けがを負わせた」と起訴状を読み上げた。
桃太郎は「けがをさせたのは間違いないが、鬼ケ島に行ったのは鬼と話し合いをするため。鬼が金棒で襲ってきたので、仲間を守るために仕方なくやった」と起訴内容を一部否認。
弁護側は正当防衛で無罪を主張した。
検察側証人の鬼は「桃太郎がいきなり斬りかかってきた」、弁護側証人の犬は「桃太郎は話し合いによる平和的解決を望んでいた。桃太郎ほど勇敢で優しい人はいない」と証言。
検察官は「犬や猿、キジを連れて行ったことから、桃太郎は鬼を懲らしめる目的で鬼ケ島に行ったことは明らか」と主張し、傷害罪で懲役7年を求刑した。桃太郎の刀や鬼の金棒、きびだんごが証拠品として提出された。
裁判官9人による評議では、それぞれの証言が信用できるかどうかなどを話し合い、桃太郎は無罪に。有罪だという声も上がったが、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則を適用し、正当防衛の可能性も否定できないという判断だった。
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